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世界保健機関(WHO)の推奨する食事

世界保健機関(WHO)では、「健康な食事(Healthy diet)」を紹介しています。

健康的な食生活は、栄養障害や非感染性疾患(肥満、2型糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、歯科疾患、骨粗鬆症)を予防するのに役立ちます。

不健康な食事と身体活動の欠如は、健康に対するリスクを高めます。

毎日の栄養と生活習慣病の予防のために、WHOが推奨している「健康な食事(Healthy diet)」で、食事で摂りたい栄養素と、避けたい食品を知り、健康に役立てましょう。

栄養摂取目標の範囲

総エネルギーに対する栄養摂取目標の範囲
食物要素 目標(%)
総脂肪 15-30%
飽和脂肪酸 10%未満
多価不飽和脂肪酸 6-10%
ω-6脂肪酸 5-8%
ω-3脂肪酸 1-2%
トランス脂肪酸 1%未満
一価不飽和脂肪酸 差分
炭水化物 55-75%
遊離糖類 10%未満
たんぱく質 10-15%
コレステロール 毎日300mg未満
塩分
(ナトリウム)
毎日5g未満
(毎日2g未満)
野菜と果物 毎日400g
食物繊維の合計 食べものから
毎日25g
非でんぷん多糖類 食べものから

※遊離糖類:砂糖などの二糖類、単糖類、はちみつ、シロップ、および果汁を含む

健康な食事(Healthy diet)

健康的な食事には含まれる食材。

  • 果物・野菜
    • 1日あたり少なくとも400g食べる
    • 新鮮な果物や生野菜を食べる
    • 様々な果物や野菜を食べる(少なくとも5種類)
    • 季節(旬)の果物や野菜を食べる
    • じゃがいも、さつまいも、キャッサバ、その他のでんぷん質の野菜を除く
  • 豆類(レンズ豆、大豆など)・ナッツ類
  • 全粒穀物(未加工のトウモロコシ、キビ、オートムギ、小麦、玄米など)
  • 脂肪(減らす)
    • トランス脂肪酸を極力少なくする
    • 飽和脂肪酸をできるだけ多価不飽和脂肪酸に置き換える
  • 塩(ナトリウム)・カリウム
    • 塩分摂取量を1日当たり5g未満まで減らす
    • 主に塩を介して摂取するナトリウムを1日当たり2g未満まで減らす
  • 食物繊維
    • 摂取量は毎日25g以上
    • 良い摂取源は全粒穀物、野菜、果物
    • 非でんぷん多糖類を含む

食物繊維の摂取は肥満、2型糖尿病、心臓病のリスクを下げると考えられています。

ファーストフードやジャンクフード、砂糖の多いソフトドリンクは、肥満に関連し、脂肪や砂糖の多い加工食品の傾向がある。

ビタミンDとカルシウムが骨粗鬆症のリスクを下げます。

トランス脂肪酸を減らす

脂肪摂取量、特に飽和脂肪および工業的に生産されたトランス脂肪酸の摂取量は、以下の方法で減らすことができます。

  • 調理時に揚げる代わりに、蒸したり、煮たりする
  • バター、ラードおよびギーを、大豆、キャノーラ(菜種)、コーン、ベニバナおよびヒマワリ油のような多価不飽和脂肪が豊富な油で置き換える
  • 低脂肪の乳製品や赤身の肉を食べる、あるいは肉から目に見える脂肪を取り除く
  • 工業用に製造されたトランス脂肪酸を含む焼き菓子、揚げ物、および包装済みのスナックや食品の消費を制限する
    (例:ドーナツ、ケーキ、パイ、クッキー、ビスケット、ウエハース)

塩(ナトリウム)を減らす

塩を介して摂取するナトリウムのとり過ぎと、不十分なカリウムの摂取は高血圧の原因となり、それが心臓病や脳卒中のリスクを高めます。

塩は、加工食品(例:調理済みの食事、ベーコン、ハム、サラミなどの加工肉、チーズ、塩味のスナック)、または大量に消費される食品(例:パン)に含まれています。

塩はまた、調理中(例:ブイヨン、ストックキューブ、醤油、魚醤油)や食べる時に(例:食卓塩)食品に追加されます。

塩分の摂取量を減らす方法
  • 食品を調理したり調理するときに、塩や高ナトリウムの調味料(例:醤油、魚醤油、ブイヨン)の量を制限する
  • テーブルの上に食卓塩や高ナトリウムソースを置かない
  • 塩味のスナックの消費を制限する
  • 塩分(ナトリウム)含有量の少ない食品を選ぶ
カリウムの摂取量を増やす

カリウムは血圧に対するナトリウム消費量の増加の悪影響を軽減することができます。

新鮮な果物や野菜を摂取することで、カリウムの摂取量を増やすことができます。

砂糖を減らす

砂糖などの二糖類、単糖類、はちみつ、シロップなどの遊離糖は、大人でも子供でも摂取量を、総エネルギー摂取量の10%以下に減らすべきです。

総エネルギー摂取量の5%未満に減らすことで、さらに健康に良くなります。

遊離糖を消費すると、虫歯のリスクが高まります。

遊離糖が多い食べ物や飲み物からの過剰カロリーも、不健康な体重増加の一因となり、それが過体重や肥満につながる可能性があります。

遊離糖は血圧と血清脂質に影響を与えるため、遊離糖の摂取を減らすことは、心血管疾患の危険因子を減少させることになります。

糖分の摂取量を減らす方法
  • 砂糖菓子、キャンディー、砂糖入り飲料などの糖分を多く含む食品や飲料(甘い炭酸飲料、フルーツジュース、ソフトドリンク、野菜ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、コーヒー飲料、ミルク飲料)の消費を制限する
  • 新鮮な果物をおやつとして、お菓子やスイーツの代わりに食べる

アメリカ心臓協会による勧告

2006年、アメリカ心臓協会は、心臓病と闘うための健康的な食事と生活スタイルを勧告している。

食と生活の勧告[2006年版]

  • 必要以上にカロリーを摂りすぎないようにし、体重を維持する。
  • ほとんど毎日、少なくとも30分の適度な運動をする。
  • 穀物の半分以上を精白されていない全粒穀物にし、様々な野菜と果物を食べる。毎日25グラムの食物繊維を目指す。
  • 脂質は、全カロリーの25~35%までとし、大部分は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸であるべきです。
  • 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を含む食物を、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸を含む食物に替える。
  • 飽和脂肪酸の摂取を制限するために、肉は皮が取り除かれていて脂肪の少ないものを選ぶ。また、低脂肪の乳製品を選ぶ。
  • 少なくとも週2回は魚を食べる。魚の油は多価不飽和脂肪酸のω-3脂肪酸を含み、心臓疾患のリスク低下と相関関係があります。
  • トランス脂肪酸を含むものを減らす。固形マーガリンを含む食べものや、フライドポテトを制限してください。
  • コレステロールは1日に300mg以下にする。
  • 砂糖が加えられた飲食物は減らす。
  • ナトリウム1日に2300mg未満にする。
  • アルコールは男性1日2杯、女性1日1杯までにする。
  • タバコをすわない。そして、タバコの煙に近づかない。

IARC発がん性リスク

国際がん研究機関 (IARC) による発がん性リスクの一部を紹介。

ヒトに対する発がん性がある(グループ1)

ヒトへの発がん性について十分な証拠がある

  • アルコール飲料
  • 加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージなど塩、塩漬け、発酵、燻製など加工処理された肉)
  • タバコの喫煙
  • ガソリンエンジンの排気ガス
  • 経口避妊薬(ピル)の常用、組合せ
  • ヒ素およびヒ素化合物
  • 太陽光曝露(紫外線)
  • X線照射・γ線照射
  • 紫外線を発する日焼けマシーン

ヒトに対する発がん性がおそらくある(グループ2A)

ヒトへの発がん性については限られた証拠しかないが、実験動物の発がんについては十分な証拠がある

  • 牛豚羊馬ヤギなど肉
  • 65℃以上の熱い飲み物

ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)

ヒトへの発がん性については限られた証拠があるが実験動物では十分な証拠のない場合、ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかないあるいは証拠はないが、実験動物は十分な発がん性の証拠がある場合

  • アジア式野菜の漬物
  • メチル水銀

2章 食